漫画のような中学の甘い初恋の想い出

私はいわゆる「真面目」な学生でした。勉強ばかりしてきたので先生からよく褒められ、それを励みに一生懸命勉強をしていました。クラスメートの誰とも仲良くできたのでよく人に頼られることが多かった私は経験もないのに人の恋愛についてアドバイスをしたりしていました。私自身は本や漫画で「こんなことがあったらステキだろうな」となんとなく読み流すようなタイプでした。

中学2年の冬期講習。私はそこの塾開講と共に通っていたので、少し前に変わった塾長よりもそこの塾歴が長かったので好きな場所に座り、新しく入ってくる子たちをまるで、自分の生徒のような感覚で見ていました。一番後ろの端の席。後ろの列に座るのは私のみで、私より後に入った他の生徒たちは全員、私より前の席に座りました。彼が来るまでは。

同じ中学の、違うクラスの男の子。彼はクラスに入ると、私の隣に座ったのです。(なんて生意気な・・・)と思ったのですが、ちらっと横に目をやると私は固まってしまいました。

スポーツ系のダボッとしたジャージ。手が半分まで隠れ、耳にはヘッドフォンをつけ、少し焼けた顔に綺麗な目が光っている。整った顔立ちに合わないちょっと悪びれた雰囲気の服装とのギャップに何かが魅かれ、ドキッとして顔を下に向けたことを覚えています。一目ぼれなんて、したことなかったのに。

同じ中学で彼と共通の友達が塾でも同じクラスだったため、私は彼と近くなっていきました。テスト前になると、2人で塾で勉強することもあり、自分の心臓の音が聞こえていないかどうか心配になるくらいドキドキしたことを覚えています。

最初に真顔で見た横顔とは違い、友達と話すときの彼は子犬のような無邪気な笑顔を作りました。悪戯好きでその悪戯につき合わされたり、テストの点で競われたり、その点で賭けをしてお菓子を買う約束をしたり。彼のいる時間がとても幸せで、今私は彼と一緒の空間にいるのか・・・としみじみ感じたりもしました。

しかし、私はきっと、少し仲良くなりすぎてしまいました。彼から「同じクラスの子に告白された」と聞いたときは、後ろから固いもので殴られ、全身の血がひいていったような感覚が抜けるような気分を味わいました。私はそれから度々、塾の授業中に回される彼からの手紙で恋愛相談をするようになり、手と手が触れる瞬間に辛いドキドキを感じたことを覚えています。

私は彼に、その女の子と付き合うことを勧めました。彼は、私の言ったとおりに彼女と交際をすることを決めました。

私にとっては甘くて苦い思い出となりましたが、それでも私は友達として長く彼と付き合う関係になり、それで満足でした。一番大切でなくても、浅くても、長く「大切」な人でいたらいいな。と思った、私にとって初めて大切にした人が彼でした。